個性派記者の本音トーク 山川

金鯱賞2025予想 3連覇を目指すプログノーシスに暗雲データあり!?

個性派記者の本音トーク 山川
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関西情報社CHECKMATEで重賞情報を担当する『山川』だ。皆さん、元気に馬券やってるかな!



今週から中京開催がスタートし、大阪杯の前哨戦である金鯱賞が行われる。

中山記念までの中距離G2はドバイ遠征前の叩き台に使われることが多いが、金鯱賞は4月半ばのオーストラリア遠征や4月末の香港遠征前の叩き台としても多く使われる。

ここ2年の勝ち馬プログノーシスや、21年に2着だったデアリングタクトは、金鯱賞の後に香港へ遠征。GI馬にとってはあくまで叩き台の位置づけだが、コースが新設され3月開催となってからの過去8年で、1番人気は5勝、複勝率100%と隙がない。

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2連覇中のプログノーシス

今年は3連覇を狙うプログノーシスが1番人気に支持される可能性もありそうだ。

ただ、そのプログノーシスには気になるデータがある。

また、1番人気以外にも好走率が高いデータがある。詳しく見ていこう。


馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 調教師
1 アスクドゥポルテ 牡5 57.0 岩田望 梅田智
2 ホウオウビスケッツ 牡5 57.0 岩田康 奥村武
3 ライラック 牝6 55.0 石川裕 相沢郁
4 キングズパレス 牡6 57.0 佐々木 戸田博
5 デシエルト 牡6 57.0 武豊 安田翔
6 クイーンズウォーク 牝4 55.0 川田将 中内田
7 ディープモンスター 牡7 57.0 松山弘 池江泰
8 プログノーシス 牡7 58.0 西村淳 中内田
9 ラヴェル 牝5 55.0 北村友 矢作芳
10 マイネルモーント 牡5 57.0 丹内祐 高木登

3連覇を目指すプログノーシスに暗雲データあり!?

プログノーシスが2連覇した昨年までと違うのは、鞍上が川田ではないことだ。この馬は川田以外の日本人騎手が乗ると【0.1.1.1】と一度も勝てていない。3連勝中で臨み、単勝1.5倍の支持を集めた2022年カシオペアSでは、代打騎乗の岩田望が取りこぼして2着。次走の中日新聞杯では、藤岡佑が脚を余して4着に敗れた。

成績的には安定感があるように見えるが、実は扱いが難しい馬ということ。前走の有馬記念でも、テン乗りの三浦が「スタートを上手く出せなかったし、最後は気持ちも切れてしまっていた。すみません」と関係者に頭を下げていたと聞いている。

つまり、プログノーシスのポテンシャルを引き出すには、鞍上の手腕が不可欠。今回、主戦の川田はクイーンズウォークに騎乗するため、代打は西村淳也。昨年GI初制覇を飾った若武者が、このクセ馬をどう乗りこなすか注目だ。

もう一つ注目のデータがある。それは、逃げ馬が圧倒的に強いということだ。

■金鯱賞・逃げ馬の成績
※3月開催の過去8年

17年:7人気2着ロードヴァンドール
18年:8人気2着サトノノブレス
19年:8人気10着タニノフランケル
20年:6人気3着ダイワキャグニー
21年:10人気1着ギベオン
22年:1人気1着ジャックドール
23年:3人気2着フェーングロッテン
24年:7人気13着シーズンリッチ

【2-3-1-2】
連対率62.5%!
複勝率75.0%!!

昨年はシーズンリッチとエアサージュが2コーナー過ぎまで競り合い、前半1000m58.4秒~後半1000m59.2秒と前傾ラップのハイペースに。これは例外中の例外で、基本的には前半60秒を切ることがない、少頭数らしいスローペースになりやすい。今年も例年通り頭数が揃わない見立てで、ペースは落ち着くはず。

さらに、3月開催の金鯱賞はほとんどの場合、開幕週に行われる。使い込まれていない芝コースでは、距離ロスを防げる内枠や、スピードを活かして前につける馬が有利。逃げ馬は先頭かつラチ沿いを通るため、開幕週に強いのだ。

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2021年、10番人気で大波乱を呼び込んだギベオンも逃げ切り勝ち。逃げ馬を買っていればダダ儲けなのが金鯱賞だ。

今年のメンバーを見ると、前走逃げ切り勝ちを収めたデシエルトがハナを奪うだろう。鞍上もペース配分に長けた武豊を予定。あとは、デシエルトの手綱を明け渡した岩田康が騎乗するホウオウビスケッツが「デシエルトだけには勝たせない!」と大名マークするかどうかもポイントの一つ。

各馬の作戦を見極めるためにも、情報収集に励んでいくぞ!


このコースと言えばこのコンビ

金鯱賞の枠順が確定したぞ!西村淳が騎乗するプログノーシスは7枠8番、武豊が騎乗するデシエルトは5枠5番に入った。

さて、まずは金鯱賞における枠順の傾向をチェックしていこう。

■金鯱賞・枠順別成績
※過去10年(2016年~2025年)
枠番 着別度数 勝率連対率複勝率
1枠 1- 2- 1- 7/119.1%27.3%36.4%
2枠 0- 0- 1-10/110.0%0.0%9.1%
3枠 2- 2- 0- 7/1118.2%36.4%36.4%
4枠 1- 1- 3-10/156.7%13.3%33.3%
5枠 2- 0- 4-12/1811.1%11.1%33.3%
6枠 0- 1- 1-16/180.0%5.6%11.1%
7枠 1- 3- 0-15/195.3%21.1%21.1%
8枠 3- 1- 1-15/2015.0%20.0%25.0%

直近7年間で13頭立てが最多頭数となっており、近年は少頭数になりやすい金鯱賞。外枠が好成績を収めているように、あまり枠順には左右されないレースでもあるな。今年も10頭立てと例年以上に頭数が落ち着いただけに、内外の不利はほとんどないと考えていいだろう。

さて、今回はもう一つ、面白いデータがある。それが調教師別の中京芝2000mの成績だ。

■中京芝2000m・調教師別成績
※過去3年(2022年~2025年)
調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率
(栗)中内田充 12- 4- 3-12/31 38.7% 51.6% 61.3%
(栗)友道康夫 9- 9- 4-39/61 14.8% 29.5% 36.1%
(栗)藤原英昭 8- 6-10-23/47 17.0% 29.8% 51.1%
(栗)上村洋行 8- 6- 8-16/38 21.1% 36.8% 57.9%
(栗)橋口慎介 7- 4- 0-14/25 28.0% 44.0% 44.0%
(栗)須貝尚介 7- 2- 4-20/33 21.2% 27.3% 39.4%
(栗)杉山晴紀 6- 5- 5-22/38 15.8% 28.9% 42.1%
(栗)高野友和 6- 3- 2-15/26 23.1% 34.6% 42.3%
(栗)斉藤崇史 5- 6- 2-37/50 10.0% 22.0% 26.0%
(栗)池江泰寿 5- 5- 2-25/37 13.5% 27.0% 32.4%

中内田調教師の勝率はなんと38.7%。2位の友道厩舎に勝率、複勝率などでダブルスコアをつける圧倒的な成績を収めている。この金鯱賞で注目されるのが、プログノーシスの3連覇の他に、クイーンズウォークに騎乗する川田騎手の3連覇だが、管理する中内田厩舎の3連覇もかかっているんだ。

■中京芝2000m(過去3年)
川田&中内田
【9.0.2.8】勝率47.4%

このコンビに限れば更に勝率47.4%に跳ね上がる。過去10年で見ても金鯱賞3勝を挙げているコンビだけに、馬が変わっても馬券から外すことは得策とは言えないだろう。

では、今年の金鯱賞で好枠をゲットしたのは・・・・・・・?

⑥クイーンズウォーク
「言うことなし!万全です」

クイーンズウォークは6枠6番をゲット。前走は1番人気に推されながらも6着に敗れたが、休み明けで10キロ増。55.5kgのハンデも楽ではなかった。

それにこの馬は530kg近い大型馬だけに、小回りの小倉コースも合っていなかった。それは秋華賞の15着でもハッキリしたし、左回りで広いコースでのパフォーマンスが明らかに高いんだ。

実際に関係者に話を聞いてみても・・・・・・・

前走も仕上がり自体はそこまで悪くなかったけど、4コーナーであまり動けなかった。右回りでも勝っているけど、追い切りで多少左に流れるところがあるから、左回りの方がスピードのノリが良いのかも。

今回は一度使った効果もあって、素軽さが増して素晴らしい動きだった。仕上がりに関しては、何も言うことがない。

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と、関係者は話していたな。この枠なら、ローズS同様に絶好のポジションから競馬が出来るだろう。展開にも左右されないのも強みの一つだな。

新聞には載らない関係者情報を公開

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最後に直前情報のチェックだ。CHECKMATEが日々入手している関西関係者とのパイプから、スポーツ紙や専門紙では公開されないような裏ネタや関係者の感触、さらには独自の分析を元に、有力馬を中心にお送りしていく。

⑤デシエルト
(安田翔/武豊)

サイレンススズカのような逃げ切りを理想としている」とユタカさんが週中から話していたし、厩舎サイドも「馬の後ろで収まりがつくタイプじゃないから」と話していたことからも、まず逃げるのはこの馬だろう。

サイレンススズカは440kg前後のそこまで大きな馬ではなかったが、530kg近い大型馬の⑤デシエルトとはタイプが異なる。それでも、どちらも緩急をつけずに後続に脚を使わせる戦法を得意としている点は共通している。ユタカさんに替わってどんな逃げを打つのか注目だ。

⑧プログノーシス
(中内田/西村淳)

もともとスタートは速いタイプではなかったが、海外競馬でゲートボーイのいる環境に慣れたことで、日本競馬ではゲートボーイのいない状況で、どうしてもスタートが決まらなくなってしまったという。

「だから今回も出遅れるんじゃないかな」というのが関係者の総意。7歳となり、次走が香港遠征となる可能性もある中で、主戦だった川田将雅ではなく外国人騎手を起用する可能性が高いことからも、川田⑥クイーンズウォークを選んだのではないかという噂もあるぞ。

⑥クイーンズウォーク
(中内田/川田)

⑧プログノーシスのところでも触れたけど「川田騎手は先を見据え、4歳でまだまだ将来性のある⑥クイーンズウォークを選んだのではないか」という関係者の話だ。

それにこの馬は左回りの方がスピードのノリが良いんだ。牝馬ながら530kg前後と大型だけに、小回りの小倉は合わなかったが、左回りの広い中京なら前走のようなことはないんじゃないかな。

⑨ラヴェル
(矢作/北村友)

昨秋のエリザベス女王杯では単勝12番人気の大穴だった◎⑨ラヴェルから馬連&3連複のダブル万馬券を含めた的中をお届けしたことは記憶に新しいところだろう。

そこから馬がどんどん良くなっており、5歳を迎えてようやく本格化ムード。関係者によると、「以前と違って飼い葉食いが安定し、稽古でもしっかり攻められるようになった」とのことで、今まさに充実一途といったところだ。

山川レオ

重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流

1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。

なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。

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