さあ2024年のクライマックスが来たぞ!有馬記念を仕留めるために、大切なことを思い出そう!
重賞・G1担当の山川です。いよいよ来週は有馬記念。今回は予習として今年の有馬記念ではなく、昨年やそれ以前の有馬記念も含めて振り返っていきたい。
昨年の有馬記念は1~7番人気までが単勝オッズ10倍以下という混戦模様。その単勝一桁オッズの中には、2頭の3歳馬が居た。皐月賞馬のソールオリエンス(単勝4番人気)と、ダービー馬のタスティエーラ(単勝5番人気)だ。
この2頭はそれぞれクラシックのタイトルを手にしていただけではなく、秋の菊花賞で3着以内に好走。改めて世代上位の能力を持っていること、そして長距離戦にも対応できるだけのスタミナを備えていることを証明していた。
そもそも、近年の有馬記念では3歳馬の好走例が多く見られていたんだよ。一昨年の2022年から過去10年を振り返ると……
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 4- 3- 2- 16/ 25 | 16.0% | 28.0% | 36.0% |
4歳 | 2- 4- 2- 37/ 45 | 4.4% | 13.3% | 17.8% |
5歳 | 4- 3- 5- 45/ 57 | 7.0% | 12.3% | 21.1% |
6歳 | 0- 0- 1- 18/ 19 | 0.0% | 0.0% | 5.3% |
7歳 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8歳 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
最多勝タイ、そして最も勝率が高いのは3歳馬。なんなら2022年はイクイノックス&ボルドグフーシュでワンツー決着。その前年も3歳馬のエフフォーリアが勝利を挙げており『いかにも3歳馬の強いレースに見える』ような流れだったんだよ。
このデータだけを見るとソールオリエンス&タスティエーラを買いたくなるところだろう。
しかし、俺が昨年の有馬記念で書いた記事は……
直近10年間で結果を残しているはずの3歳牡馬を“怪しい”とジャッジしたんだ。
もちろんこれは適当に言ったわけではなく、明確な理由がある。当時公開していたキーとなる資料がこれ。
簡単な話、3歳牡馬の残してきた成績が例年と比べて低水準だったんだ。
当たり前だが、有馬記念に駒を進めてくるような3歳牡馬は確かな実績を残している。実際にソールオリエンス&タスティエーラの2頭はクラシックのタイトルを手にしていた。
もちろん実績を残している点は大事なのだが……『大レースを勝っているから価値がある』という考え方はよろしくない。世代のレベルが高くないのであれば、世代のトップに立つことは比較的難しくないもんな。
更に先ほどの画像において見逃せないのは、21年、22年の両世代において3歳牡馬が高水準の成績を残してきたこと。ザックリ単純な話として、低水準の世代が高水準の世代と直接対決をすれば、基本的には高水準の世代の方が前に来るだろう。
昨年の有馬記念が4歳→4歳→5歳という決着だったのは、その比較通りの結果と言える。世代間の力関係をキッチリ比較できていたからこそ、掴み取れた的中だろう!
それからもう一つ振り返っておきたい有馬記念がある。それが、2019年だ!
もう5年前のこととあって忘れてしまっている方も多いかもしれないが、当時の世間の注目は“アーモンドアイ一色”だったな~。
前年の3歳時に牝馬三冠を達成し、ジャパンカップを2分20秒6というスーパーレコードで勝利。4歳となった2019年もドバイターフ、天皇賞・秋というG1タイトルを獲得した上でのグランプリ参戦。人気を集めない訳がないよな。
ただ、当時のアーモンドアイって“明確な不安要素”があったんだよな……。
当時は12月上旬の香港国際競走を熱発のため回避して、目標を有馬記念に切り替えたという経緯。「大した熱ではなかった」という声も出ていたように、はたから見れば大事を取って回避したようにも見えていたが、現場では「無理に香港を使いたくなかった」という話も。
というのも、以前にドバイへ遠征した際には一時体調を崩す騒動があり、秋は凱旋門賞出走も噂されながら「環境変化に敏感。フランスに行って大事になったら大変だ」と回避。飛行機を使うような長距離遠征ではコンディション面に異常が出てしまうタイプ。
しかし、年末になると香港出走を決めた。
……おかしな話じゃないか?
海外遠征を回避していた馬が、なぜ香港へ行こうとした?
その裏には“本当は有馬記念を使いたくない”という理由が見え隠れしていた。それまでは広いコースばかりにこだわっており、小回りコースの競馬を歓迎していた訳でもない。実際に19年の安田記念では出遅れて窮屈な場所を通らざるを得ない状況になって勝ち切れず。
レースでは前半から行きたがるようなところもあって能力を発揮しきれなかったものの“陣営が早くから狙っていたレースではない”という事実は重く受け止めるべきだったのだ。
一方で確信の本命馬◎としたのがリスグラシュー。現場では「この馬しかいない」「アクシデントでもない限り大丈夫」とまで言われており、ラストランにしてメイチの状態に仕上がっていた。
何より手の合っているダミアン・レーンが、この馬とのコンビでG1を2勝しているという実績を認められて、特例で短期免許での来日を許可されてのコンビ継続。当日の中山芝2500m戦でノーザンファームサイドが騎乗馬を用意して、大一番に向けての準備を進めてきた。
更に不動の対抗○サートゥルナーリアは「この馬のためにスミヨンが来日を決めた」という裏話が。こういった外国人ジョッキーの重要な情報が的中を大きく支えたんだ。
外国人騎手絡みと言えば、今秋も良い的中を仕留めたよな。
◎ヴァンドームの鞍上はクリストフ・スミヨン。サートゥルナーリアの有馬記念から5年経ち、色々なヤラカシもあって簡単には来日できなくなってしまったが、今も的中に貢献してくれている名手だ。
クリストフ・スミヨン騎手
日本人騎手に関する話を聞き集めるのは当たり前。短期免許だったり、外国馬騎乗のために来日する外国人騎手についてもしっかりと情報収集を行うことが、馬券的中に繋がる大きなステップだよな。
今年の有馬記念も、昨年や2019年の有馬記念と共通するところはあるだろう。
今年もダービー馬・ダノンデサイルに、菊花賞馬・アーバンシックというG1を勝っている3歳馬が参戦。この世代のレベルは有馬記念で通用するレベルか、細かい部分までチェックしていく必要があるだろう。
更に、一般的には2019年の“アーモンドアイ一色”というムードに近い“ドウデュース一色”という盛り上がり方をするだろう。
そして、ライアン・ムーア、クリスチャン・デムーロ、トム・マーカンドという短期免許で来日中の外国人騎手が騎乗を予定。もちろんルメールや川田といった国内のトップジョッキーを含め、騎手周辺の情報にも注目が必要だ。
様々な注目点があるが、まずは既に先週から公開している俺の記事をチェックしていただきたい。本ページで採り上げた“世代レベル”に関することをご紹介している。
今年も有馬記念は任せてくれ!
▼今年の有馬記念▼