先週のスマッシュヒット!

【日経新春杯・京成杯】山川レオによる公開反省会

先週のスマッシュヒット!
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CHECKMATEの山川です。まずはご挨拶させてください。

京成杯・日経新春杯の競馬ではほとんどのレースで良い結果をお届けできずに終わってしまいました。競馬である以上、悔しい結果となってしまうレースは出てきてしまうものの、正直なところここ最近はそのような場面が多くなってしまっているのが現状です。

この場をお借りし、代表してお詫びいたします。大変申し訳ございませんでした。


普段、この『先週のスマッシュヒット』というコンテンツでは、特に反響の大きかったレースを中心にピックアップさせていただいておりますが、その裏には上手くいかず悔しい結果に終わったレースも存在します。中には、かなり特殊な展開になったレースもありますし、様々な“反省点”を振り返らなければいけません。

これに関しては、良い結果が多かった時も絶対に必要な作業。CHECKMATE記者が分担してレース後の取材・分析を重ねて、翌週以降に繋げるべく欠かしてはいけない作業として取り組んでおります。


個人的にですが、この作業は“表”に出すことではないと考えています。裏で粛々と行うべきことだろうと。

ただ、今週の競馬は日々ご覧にならている皆様にとっても、相当難しいレースと認識されたレースがかなり多かったのではないだろうかと存じます。

そして、率直に我々としても苦戦を強いられたレースが多かったのが実情です。結果が求められている立場として、本当に申し訳ない気持ちで一杯になってしまう結果でした。

今回の当コラムでは『番外編・公開反省会』として今週の提供レースの中から特に悔しかったレースを振り返ると共に、後半ではこの先に控えている新たな勝負処をお伝えしてまいりたいと思います。

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どうしても湿っぽくなってしまうので、ここからはいつも通りの話し方で進めさせてもらう!最後までお付き合いください。

記事の最後では山川の『今後の注目馬』をご紹介しております。長い記事にはなりますが、どうか最後までお読みいただけると幸いです。

中京11R・日経新春杯

まずは今週の両重賞から。日経新春杯は◎ヴェローチェエラから買い目を公開したが、残念ながら4着に敗れてしまった。

当レースはまず⑥メイショウタバルがハナを切りレースが進んだが、単独先頭に立って競馬を進める形になってもメイショウタバルの前進気勢は衰えず。そのまま後続を突き放す“大逃げ”の競馬になった。

前半1000mの通過タイムは57秒7。これは中京芝2200m戦において史上2位のハイペースだった。

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ここまでは一般のマスコミでも報じていることかと思うが、実はこのレースは“第二集団”のペースも速かったのが特徴。

2番手を進めていた⑪サンライズアースは鞍上が序盤から押して前を追っていたのだが、同馬の前半1000m通過タイムは俺の目視で大体58秒6~58秒8でないかと思われる。細かい数字は不明だが、間違いなく58秒台ではあった。

実は中京芝2200m戦において、前半1000mが58秒9以下で進行したレースは、今回の日経新春杯を含めてこれまでにたった7例しかない。ちなみに母数は253鞍であるのだから、『7÷253』で出現確率はたったの約2.7%だ。


メイショウタバルこそ単独で大逃げする形ではあったが、サンライズアース以降は常識的な馬順になっていた。つまり今回のハイペースはメイショウタバルだけではなく、後続馬群においても該当すると見た。冬場かつ、馬場の傷みが蓄積されている今の中京芝のコンディションを考えても、かなりタフな展開であったことは間違いない。

◎ヴェローチェエラは上手く差しに構える競馬ができていたのだが、3、4コーナーでは大きく離れた前に居るメイショウタバルを追いかけるためにも、川田将雅が馬群の外に出してロングスパートをかけているシーンがあった。

ただ前述の通り、当レースは2番手以降の馬群もよどみのないラップ構成で進行していた。タフな展開で、自身の立ち回り方もタフになってしまった分、最後の伸びを欠いてしまった形。

2着⑭ショウナンラプンタはもっと後ろに構えていた馬だし、3着①マイネルエンペラーは道中内々で脚を溜めていた馬。一つ仕掛けのタイミングを遅らせた馬の方が有利な展開だけに、勝ちに行ったヴェローチェエラの動き方が結果的に仇となってしまった形ではある。

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俺の反省点は「この展開はある程度読めたのではないか」という点である。

何せメイショウタバルという馬が大逃げしてしまうことは、驚くようなことではなかっただろう。これまでも積極的な逃げの手を打つこともあったし、中間の調教でも併せ馬ができないように、気性的な課題は今も抱えているものであった。

そして⑪サンライズアースは「体力豊富で、いくら距離があってもいいぐらい」と言われている馬なのだから、メイショウタバルの積極策を追いかける競馬をしてもおかしくない。

記録としては歴史的なハイペースであったと言えるが、そうなってしまう可能性は想像できたと言える。後方から直線にかける競馬をしたり、インにこだわる競馬をするであろう馬を狙う手は十分にあったのだから、反省しなければいけない。


しかし、勝ったロードデルレイは本当に強かった。勝ちタイム=2分9秒8は中京芝2200m戦史上3位の好タイムだ。

なお、これを上回るトップ2はいずれも2022年5月に記録されたタイム。つまりこの時はかなり馬場が高速状態だったんだ。使い込まれてタフな馬場になっていた今の中京でこれだけの時計を叩き出したのは、一言で秀逸。そこを見抜けなかった点も要反省だ。

中山11R・京成杯

前提として、今開催の中山芝コースはかなりの高速馬場となっている。

CHECKMATEの分析班が土曜の競馬終了時点でこんな表を作成していたんだ。これは元々公開するための画像ではないので、少々小さいサイズになっている点はご了承いただきたい。

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もちろん“平均タイム”というのは、メンバーレベルやペースなどにも左右されるところはある。ただ、それにしてもここ2年は速いタイムが出がちというのはおわかりいただけるだろう。

実は2023年と2024年の12月開催……つまりここ2年の1月開催の“直前の開催”では、1鞍たりとも道悪(稍重・重・不良)で行われた芝のレースがなかったんだ。その分だけダメージが少なく、1月に時計の出やすい馬場となっていたというメカニズム。

特に今年の場合、“直前の開催”だった2024年12月の中山ではダート戦でも道悪のレースが1鞍もなかった。極端に乾いた馬場が続いていたため、今でも良好な馬場コンディションが保たれているということだろう。

良好な馬場コンディションは時計の高速化だけでなく、内・前有利なバイアスも生んでいた。とにかく今週の中山芝のレースでは、4角の時点で前目につけている馬ばかりが好走していたんだ。

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京成杯の本命は先行力があり、立ち回りの上手いタイプである①タイセイリコルド。それだけでなく、関係者内で小栗厩舎の重賞初制覇はこの馬かも」と評されていたこともあって、本命に指名していた。

ただ……この京成杯も前半1000m=58秒3というかなりのハイペースで進行。これは芝2000mの京成杯史上2番目のラップだったのだから、差し馬が台頭する競馬となったのも自然な流れ。


俺の反省点は日経新春杯と同じで、この展開を想像することができたのではないかという点。何せ『高速、内・前有利』という今の馬場状態は、騎手たちもこれまでに痛感しているからである。

賞金額、そして格が高い重賞であるからこそ、勝負をかけるために好位を確保していく動きが過激になる可能性は十分にあった。この点はもう少し重視すべきだったと考えている。


このタイセイリコルドはもちろんのこと、前述の日経新春杯のヴェローチェエラも次走で即巻き返しが可能な馬であることは間違いない。いずれも極端な展開に苦しんでの敗戦を喫してしまった形。常識的な展開のレースになれば、重賞でも勝ち負けに持ち込める存在であることは違いない。

これは分析面はもちろんとして、馬を取り巻く関係者たちも同じ見解。今週の重賞2鞍に関しては、特に以降の出走時に注目が必要と見ている。

中山10R・ジャニュアリーS

さて。ページ上部の画像でも重賞2レースの記載があるように、当ページで東西の両重賞を扱うことは決まっていた。

ここから先は俺の独断で書かせていただく内容。日曜中山10R・ジャニュアリーSについてだ。


当レースは厳選勝負レースとして買い目を公開させていただいた。本命◎スターターンは2着に好走したのだが、単勝14番人気・195.1倍ながら勝利したジャスパーゴールドが無印扱いであり、不的中に終わってしまった。

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このレースはWIN5の対象レース。ジャスパーゴールドの単勝人気を考えると、結果を見て「こんな馬買えねえよ!」と思われたファンの方も少なくないのではないだろうか。

実際、俺が取材を進めていた場で馬券を買っていた関係者「コレは無理だわ!」と言っていた。最初は同調しかけてしまっていたのだが、後から冷静になって整理を進めていく内に「CHECKMATEの情報班であればこの馬をなんとかして拾うべきだった」という結論にたどり着いた。


簡単にまとめる。

・厩舎関係者はたしかに弱気だった

取材を担当している情報班に話を聞いたところ「オープンに昇級した頃から『このクラスではどうかな。徐々に慣れていってからの話になるね』というトーン。ここに来て急激に期待度が上がっている訳ではなかった」とのこと。
・ただ、プラス材料はあった

オープン昇級後は11連敗中であったが、横山和生が乗った時の着差は0.5秒、0.7秒、0.5秒。レースによっては2秒以上の大敗を喫していることもある馬だけに、明らかに横山和生とのコンビにおけるパフォーマンスが高い。現に、3勝クラスを勝ち上がったのも彼が乗ってのことだった。

更に今回は去勢2戦目。時間が経ってホルモンバランスが整う時期。

そして中間の調教では久々に坂路4ハロン=50秒台の時計が出ていた。少しでもデキが上がっている雰囲気は示していたんだ。

もちろん、じゃあこのプラス材料を考慮して“アタマ”で狙えたかというと、ぶっちゃけそれは難しいと思う。ただ、馬連の相手の押さえや、3連複の押さえに加えるという選択肢は十分にあったはず。

俺が一人で厳選勝負レースの買い目を決めている訳ではないのだが、決定前にジャスパーゴールドという馬の可能性を指摘することは十分にできたはず。この点を大変悔いているんだ。

とはいえ、ただ悔しいと言い続けたところで何も変わらない。むしろ貴重な時間をなくすだけである。

ここから先の復習・予習の動きに関してはまた“裏”で進行させていただくものの、必ずや来週以降の競馬で取り返して行けるように粉骨砕身の覚悟で取り組んでまいります。難しい結果が多かったからといって“仕方ない”だなんて言っていられない。着実に一歩ずつ前に進んでいかなければならない。

来週以降の儲けどころをご紹介

来週は中山&中京開催が最終週となるが、一方でローカル・小倉開催がスタートする。この小倉開催に関しては改めて記事にてお届けできればと考えているので、来週以降もCHECKMATEが公開する記事にはご注目いただければ何よりです。

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※記事は来週公開予定です

また、再来週からは東京&京都開催がスタートする。

広いコースで紛れが生じづらいこの2場では、昨秋もG1を筆頭に様々な的中を仕留めさせていただいた。

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G1だけではなく、この葵S(G3)での結果にも大きな反響をいただいた。

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今年の東京&京都開催も面白い勝負話が目白押しとあって、次開催以降もお見逃しのないようにお願いします。

最後に、ここまで読んでいただいた方に一頭だけ注目馬をお伝えして終わりとします。来週以降も引き続き、よろしくお願いいたします。

1/19中京8R・9着
⑨ヒルノドゴール
中間にノド手術を行って約8か月の休み明け。「正直なところ追い不足感は否めない」というのが厩舎関係者の事前のトーンだったが、レース当日にパドックで馬を見ると「やっぱり素材は1枚上やな」と再評価。

極端なイン有利馬場で外を回す競馬をしてしまったため着順は目立たないが、良績残す京都コースで順調に叩き2走目を迎えられるようであれば、ガラリ一変が見込める実力馬。次走に至るまでの中間の動きも含めて、要注目だ。